株式会社ウィズ・パートナーズ

特定投資家制度の概要

2022年7月

金融商品取引法では、その知識・経験・財産の状況から、お客様を「特定投資家」と特定投資家以外の「一般投資家」に区分し、「特定投資家」に対しては、規制内容の柔軟化が図られております。
特定投資家となるお客様には、投資者保護制度の適用が一部除外されます。

I. 特定投資家と一般投資家

特定投資家
  1. 日本銀行
  2. 適格機関投資家
一般投資家への移行不可
  1. 独立行政法人等の特殊法人
  2. 投資者保護基金預金
  3. 保険機構等
  4. 外国法人
  5. 特定目的会社
  6. 上場会社
  7. 金融商品取引業者等
  8. 資本金5億円以上の株式会社
一般投資家への移行可能
一定の手続きを経れば、一般投資家へ移行可能です

  • 「書面による申請」
  • 「契約の種類毎」
  • 「一般投資家となった場合の効力は申し出があるまで有効」
一般投資家
  1. 適格機関投資家及び特定投資家に該当しない法人
  2. 3億円以上の出資額を有している匿名組合契約、組合契約、有限責任事業組合契約の営業者である個人
  3. 以下の要件のいずれかに該当する個人
    クリックで要件を表示
特定投資家への移行可能
一定の手続きを経れば、特定投資家へ移行可能です

  • 「書面による申請」
  • 「契約の種類毎」
  • 「特定投資家となった場合の効力は1年更新
    ただし、申出によりいつでも一般投資家に戻れます」
上記に該当しない個人 特定投資家への移行不可

II. 契約の種類

特定投資家から一般投資家へ及び一般投資家から特定投資家への移行は、契約の種類ごとに行われます。

契約の種類 具体例
有価証券関連契約 集団投資スキーム等の売買、売買の媒介、取次又は代理
デリバティブ取引関連契約 現在、当社ではお取扱いしていません
投資顧問関連契約 投資助言契約
投資一任関連契約 投資一任契約

※当社における移行可能な契約は、有価証券関連契約、投資顧問関連契約と投資一任関連契約です。

III. 「特定投資家」に適用されない投資者保護に関する行為規制の概要

一般規制
  1. 広告等の規制
    金融商品取引業者等は、広告等について、所定の方法によりリスクや手数料の額等を明瞭かつ正確に表示しなければならない。また、利益の見込み等について、著しく事実に相違し、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。
  2. 取引態様の事前明示義務
    金融商品取引業者等は、お客様から有価証券の売買等の注文を受けたときは、あらかじめ、自己がその相手方となって取引を成立させるのか、又は取次ぎ等により取引を成立させるのか、その別を明らかにしなければならない。
  3. 契約締結前書面交付
    金融商品取引業者等は、有価証券等の取引等を行うときは、あらかじめ、取引の概要、リスク及び手数料等を記載した書面を交付しなければならない。
  4. 契約締結時の書面交付
    金融商品取引業者等は、有価証券等の取引等が成立したときは、遅滞なく、取引等の内容を記載した書面を交付しなければならない。
  5. 適合性の原則
    金融商品取引業者等は、有価証券等の取引について、お客様の知識、経験、財産の状況及び取引等の目的に照らして不適当と認められる勧誘を行い、投資者保護に欠けることのないようにしなければならない。
  6. 最良執行方針等記載書面の事前交付義務
    金融商品取引業者等は、有価証券等の取引等に関するお客様の注文について、最良の取引条件で執行するための方針及び方法を定め、その注文を受けようとするときは、あらかじめ、その方針及び方法等を記載した書面を交付しなければならない。
  7. 顧客の有価証券を担保に供する行為等の制限
    金融商品取引業者等は、お客様から預託を受けた有価証券等を担保に供する場合又は他人に貸し付ける場合には、お客様から書面による同意を得なければならない。
投資顧問契約関連
  1. 書面による解除(クーリングオフ)
    金融商品取引業に関する契約を締結したお客様は、法令の定める場合、書面により、契約の解除を行なうことができる。
  2. 金銭又は有価証券の預託の受入れ等の禁止
    金融商品取引業者等は、投資助言業務に関して、いかなる名目であるかを問わず、お客様から金銭若しくは有価証券の預託を受け、又は金融商品取引業者等と密接な関係を有する者にお客様の金銭若しくは有価証券を預託させてはならない。
  3. 金銭又は有価証券の貸付等の禁止
    金融商品取引業者等は、投資助言業務に関して、お客様に対し金銭若しくは有価証券の貸付け、又はお客様への第三者による金銭若しくは有価証券の貸付けの媒介や取次ぎ等をしてはならない。
投資一任契約関連
  1. 金銭又は有価証券の受入等の禁止
    金融商品取引業者等は、投資運用業務に関して、いかなる名目であるかを問わず、お客様から金銭若しくは有価証券の預託を受け、又は当該金融商品取引業者等と密接な関係を有する者にお客様の金銭若しくは有価証券を預託させてはならない。
  2. 金銭又は有価証券の貸付等の禁止
    金融商品取引業者等は、投資運用業務に関して、お客様に対し金銭若しくは有価証券の貸付け、又はお客様への第三者による金銭若しくは有価証券の貸付けの媒介や取次ぎ等をしてはならない。
  3. 運用報告書の交付
    金融商品取引業者等は、運用財産について、法令で定めるところにより、定期に運用報告書を作成し、当該運用財産に係る知れている権利者に交付しなければならない。

※なお、上記の特定投資家に対し適用除外となる金融商品取引業者の行為規制は、金融商品取引法の内容を要約、抜粋したものであり、条文そのものではありません。詳細については、金融商品取引法の該当条文等をご参照して下さい。

IV. 移行手続き

(1) 特定投資家から一般投資家への移行
  1. 当社は、左記のお客さまに該当される場合は、書面により「契約の種類ごとに、お申し出により一般投資家に移行が可能である」旨を告知いたします。
  2. 一般投資家への移行を希望されるお客さまにおかれては、当社所定の書面にて「契約の種類」をご指定のうえお申し込みください。
  3. 当社では、移行のお申し出があった場合には、お客さまを「一般投資家」としてお取り扱いすることを承諾し、その旨をご通知いたします。

※「特定投資家」から「一般投資家」に移行された場合、お客さまから「特定投資家」へ復帰のお申し出がない限り「一般投資家」としてお取扱いいたします。
※特定投資家への復帰はいつでも可能です。ただし、所定の手続きが必要となりますので、当社担当者までお申し出ください。

(2) 一般投資家から特定投資家へ移行される場合

一定の条件を満たし、「特定投資家」に移行可能と認められる場合、「一般投資家」のお客さまは「特定投資家」への移行が可能です。「特定投資家」への意向を希望されるお客さまは、当社までご連絡ください。

  1. お客さまが移行を希望される場合には、「特定投資家制度の概要」を交付いたします。
  2. お客さまは、その内容を理解されたのち、当社所定の書面「特定投資家移行に係る申出書」に「特定投資家移行に係る確認書兼同意書」を添えて、特定投資家として取り扱うようお申し出ください。その際、金商法および当社が定める基準に従い、お客さまが特定投資家への移行の申し出ができる一定の要件を満たされていることを確認するため、必要な資料の提出をお願いすることがあります。
  3. 当社は同書面により、お客さまが、承諾日、期限日、「契約の種類」および上記2のリスク等の内容を理解し特定投資家への移行についてご同意をいただいたことを確認します。
  4. 当社では、上記2のお申し出およびご同意があった場合には、適合性の原則に照らし知識、経験、財産等の状況から、特定投資家としての取り扱いが可能かどうかの審査を行います。
  5. 特定投資家として取り扱う場合には、改めて書面により、承諾日、期限日、契約の種類および上記2のリスク等を記載した書面を交付いたします。
  6. 移行の有効期間は、承諾日から期限日(当社が移行することを承諾した日から1年以内に到来する3月31日、9月30日のいずれか遅い日)となります。

※期限日前であっても、お客様が「一般投資家」への復帰を希望される場合には、お取引店までご連絡いただければ、いつでも「一般投資家」に復帰することができます。
※なお、期限日以降も「特定投資家」のお取り扱いを希望するお客さまについては、期限日の1ヶ月前から更新の申し出を受け付けさせていただきます。

審査について
  1. 「一般投資家から特定投資家への移行の申し出ができる一定の要件を満たす個人」として、金商法では、当該金融商品取引業者と1年以上の取引があり、純資産額3億円以上かつ投資性のある金融資産3億円以上と見込まれる個人等の要件が定められております。
  2. 当社では、金商法に定める要件のほか、一般投資家である法人および個人のお客さまからの特定投資家への移行の申し出について、金融取引にかかる適切なリスク管理を行うことができる「特定投資家」として取り扱うことを確認するため、お客さまの純資産額や預かり資産、取引状況、リスク管理体制等に関する社内基準を設けており、当該基準に適合したお客さまを特定投資家としてお取り扱いすることといたしております。
    審査結果によっては、ご希望に沿えない場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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①次の全てに該当すること
(ⅰ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、純資産の合計額が3億円以上と見込まれること。
(ⅱ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、投資性のある金融資産の合計額が3億円以上と見込まれること。
(ⅲ)最初に申出に係る契約の種類に属する契約を締結した日から1年を経過していること。

②次のいずれかに該当し、かつ、①(ⅲ)に該当すること
(ⅰ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、純資産の合計額が5億円以上と見込まれること。
(ⅱ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、投資性のある金融資産の合計額が5億円以上と見込まれること。
(ⅲ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、前年の収入が1億円以上と見込まれること。

③承諾日前1年間における1月当たりの証券・デリバティブに関する取引契約等の平均的な契約の件数が4件以上である場合において、①(ⅰ)又は(ⅱ)に該当し、かつ、①(ⅲ)に該当すること
※既に③の規定の適用を受けて特定投資家となった者は、その後、1月当たりの証券・デリバティブに関する取引契約等の平均的な契約の件数が4件以上である場合に該当しない場合であっても、その知識及び経験に照らして適当であるときは、当該件数が4件以上である場合に該当するものとみなす。

④特定の知識経験を有する者で、次のいずれかに該当し、かつ、①(ⅲ)に該当すること
(ⅰ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、純資産の合計額が1億円以上と見込まれること。
(ⅱ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、投資性のある金融資産の合計額が1億円以上と見込まれること。
(ⅲ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、前年の収入が1千万円以上と見込まれること。

※「特定の知識経験を有する者」は、次のいずれかに該当する者
(ア)金融業に係る業務に従事した期間が通算して1年以上の者
(イ)経済学又は経営学の教員職・研究職にあった期間が通算して1年以上の者
(ウ)証券アナリスト、証券外務員(1種・2種)、1級・2級ファイナンシャル・プランニング技能士又は中小企業診断士のいずれかに該当し、その実務に従事した期間が通算して1年以上の者
(エ)経営コンサルタント業に係る業務に従事した期間が通算して1年以上の者その他の者であって、(ア)~(ウ)の者と同等以上の知識及び経験を有するもの

①次の全てに該当すること
(ⅰ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、純資産の合計額が3億円以上と見込まれること。
(ⅱ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、投資性のある金融資産の合計額が3億円以上と見込まれること。
(ⅲ)最初に申出に係る契約の種類に属する契約を締結した日から1年を経過していること。

②次のいずれかに該当し、かつ、①(ⅲ)に該当すること
(ⅰ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、純資産の合計額が5億円以上と見込まれること。
(ⅱ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、投資性のある金融資産の合計額が5億円以上と見込まれること。
(ⅲ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、前年の収入が1億円以上と見込まれること。

③承諾日前1年間における1月当たりの証券・デリバティブに関する取引契約等の平均的な契約の件数が4件以上である場合において、①(ⅰ)又は(ⅱ)に該当し、かつ、①(ⅲ)に該当すること
※既に③の規定の適用を受けて特定投資家となった者は、その後、1月当たりの証券・デリバティブに関する取引契約等の平均的な契約の件数が4件以上である場合に該当しない場合であっても、その知識及び経験に照らして適当であるときは、当該件数が4件以上である場合に該当するものとみなす。

④特定の知識経験を有する者で、次のいずれかに該当し、かつ、①(ⅲ)に該当すること
(ⅰ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、純資産の合計額が1億円以上と見込まれること。
(ⅱ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、投資性のある金融資産の合計額が1億円以上と見込まれること。
(ⅲ)取引の状況その他の事情から合理的に判断して、前年の収入が1千万円以上と見込まれること。

※「特定の知識経験を有する者」は、次のいずれかに該当する者
(ア)金融業に係る業務に従事した期間が通算して1年以上の者
(イ)経済学又は経営学の教員職・研究職にあった期間が通算して1年以上の者
(ウ)証券アナリスト、証券外務員(1種・2種)、1級・2級ファイナンシャル・プランニング技能士又は中小企業診断士のいずれかに該当し、その実務に従事した期間が通算して1年以上の者
(エ)経営コンサルタント業に係る業務に従事した期間が通算して1年以上の者その他の者であって、(ア)~(ウ)の者と同等以上の知識及び経験を有するもの