2015年8月19日制定
2020年8月1日改正
株式会社ウィズ・パートナーズ(以下、「当社」という。)は、適切に受託者責任を果たすため、「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫の受け入れを2015年8月に表明しましたが、この度(2020年7月21日)、その内容について更新しましたのでお知らせいたします。
当社は当社の運営する投資事業組合(以下、「ファンド」という。)に内外の出資者から投資された資金を主として日本における投資先企業に投資していますが、主としてIT分野及びバイオテクノロジー、ヘルスケア分野の企業から社会的インパクトや環境インパクトを重視し投資先として選択しています。ESG要素を含む中長期的な持続可能性を考慮に基づく建設的な対話を通じて、当該企業の企業価値向上や持続的成長を促すことにより、ファンドの中長期的な投資リターンの最大化を図ります。
日本版スチュワードシップ・コードの各原則に対する当社の考え方は以下のとおりです。
原則1 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
当社は、投資の対象分野に精通したファンドマネージャを配置し、投資先企業やその置かれた状況を見極め投資することに加え、ハンズオンにより企業価値の増大を図ることに特色が有ります。ファンドの運営者として、運用期間に、その利益の最大化を図る責任を負っていますが、短期的な企業利益の改善による企業価値向上だけでなく、サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)の考慮に基づく建設的な目的を持った対話(エンゲージメント)などを通じて、持続的成長を促すことにより更に企業価値を高め、投資リターンの拡大を図り責任を果たしてまいります。
投資先企業と積極的かつESG要素を含む中長期的な持続可能性を考慮した建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)を通じて、認識の共有化を図った上で、経営陣と協調しながら、投資先企業の企業価値の向上やその持続的成長を促すことにより、投資先企業の企業価値向上を図り、ファンドの利益の最大化に努め、ファンド出資者に対するスチュワードシップ責任を果たしてまいります。
当社は、投資先企業に対し、投資検討の段階から、原則として経営陣との友好・協調的な関係を構築し、企業価値向上に向けた実効性ある対話を行い、投資先企業の状況を把握し、投資先企業を深く理解した上で事業戦略やプランを提案のうえ投資を実行し、中長期的な企業価値向上を重視し、ハンズオン支援により、持続的な成長を促します。
原則2 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
当社は、ファンドの運用者として、投資事業組合契約に基づき、投資判断を含むすべての業務を執行する権限を有しております。当社が運用するファンドには、無限責任組合員として一定額を出資していることから、ファンドと当社の利害は基本的には一致しており、利益相反の可能性は低いものの、利益相反が生ずるおそれがある場合には、公正性・公平性に十分に配慮したうえでこれを適切に管理し、ファンドの利益を最優先に運営いたします。
当社の利益相反が生じるおそれがある場合の管理方法は、役職員が遵守すべき社内規程「コンプライアンス・マニュアル」において明確に規定し、周知徹底し法令順守体制を構築しています。
利益相反の生じる恐れのある場合の典型的な例としては、当社と当社が運用するファンドとの間の取引、および当社が運用するファンド間の取引等がありますが、このような利益相反取引は、原則として行いませんが、止むを得ずこうした取引を行う必要が生じた場合には、投資事業組合契約および適用法令の定める要件を遵守し、必要に応じて外部専門家の意見を聴取する等適切なプロセスを通じて関係者間の公正性・公平性を確保いたします。これらの取引以外にも、当社が投資先企業に役職員を派遣したり、投資先企業の議決権行使等の様々なケースが考えられますが、同様に適切なプロセスを通じて関係者間の公正性・公平性を確保いたします。
原則3 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。
当社は、投資実行前に、外部専門家と協力して、法務デューデリジェンス及び財務・業務デューデリジェンスを実施し、投資先企業の状況を、問題点を含め可能な限り的確に把握したうえで投資判断をしています。投資実行後には、原則として役職員を派遣し、取締役会等の重要な会議体への出席、経営陣との対話を通じて、財務・業務情報を取得し、投資先企業のガバナンス、事業戦略、業績、資本構造、リスクへの対応等、非財務面の事項を含む様々な事項についても、投資先企業の状況を的確に把握してまいります。
原則4 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。
当社は、投資先企業の財務・非財務面の分析を踏まえ、投資先企業と認識を共有できるよう中長期的な視点に基づく建設的で「目的を持った」対話を継続的に行ってまいります。投資先企業の経営陣や管理職と緊密な関係を維持することにより相互信頼関係を構築し、持続的成長や企業価値の向上に向けて認識の共有を図るよう努めてまいります。また企業の状況だけでなく外部環境等についても相互理解を図ってまいります。当該企業と認識の相違がある場合には、より積極的な対話を求めて行くことを基本的な方針として、投資家としての意見を伝え、改善に向けた議論を行うことに努めてまいります。
当社は、投資先企業に対し積極的にハンズオン支援を行ってまいりますが、未公表の重要事実を受領した場合は 、関係法令に抵触することのないよう当社の規程に基づいて適切な管理を行ってまいります。
原則5 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。
議決権の行使は、スチュワードシップ活動の重要な手段と認識し、投資先企業との継続的な対話を積み重ねたうえで、投資先企業からの提案が企業価値向上すなわちファンドの利益に合致するかどうかを見極めて行います。
議決権行使における基本的な考え方と公開企業である投資先に係る議決権行使の集計結果については、適宜当社のホームページで公表いたします。ただし、当社の運用戦略は、ハンズオンにより投資先企業の企業価値の増大、その結果投資リターンの拡大を目指すものであり、また、ファンドへの出資者は、主に機関投資家等の極めて限定的な投資家に限られていることから、出資者からの要望があった場合に議決権の行使結果と賛否の理由について個別の投資先企業及び議案ごとに開示する方針であり、公表は控えさせていただきます。また、非公開企業である投資先に係る議決権行使については、出資者からの要望があった場合には、議決権行使の集計結果及び個別の投資先企業の議案ごとの賛否とその理由について開示する方針ですが、公表は控えさせていただきます。
原則6 機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。
当社は、投資先企業との積極的かつ建設的な「目的を持った対話」を行いながら、投資先企業の状況を可能な限り的確に把握し、問題の改善に努めることでスチュワードシップ責任を果たしてまいります。出資者に対しては、事業報告書や出資者総会等により、スチュワードシップ活動についても適宜報告してまいります。
原則7 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。
投資先企業の経営陣と本質的な議論を行い、投資先企業の持続的成長に資するものとしていくためには、当社の役職員がスチュワードシップ活動を適切に行うための実力を備えていくことが重要であると考えます。
そのために、新しい事業分野・成長市場に対する知見や洞察力、企業分析における専門知識のほか、企業および事業への深い理解力、企業を成長に導く戦略性と実行力、リスクに対応する危機管理能力等の幅広い能力が求められます。当社では、投資対象とする分野、業種に精通した専門職員を積極的に採用し、必要に応じて外部専門家の意見・助言を聴取すること等に加え、投資先企業の価値向上や持続的成長に有効であった支援内容を社内で共有することにより、スチュワードシップ責任を果たすための事例を組織的に共有・蓄積することで、より効果的な成長支援を行う仕組みづくりに取り組んでまいります。また、中長期的な企業価値の向上や企業の持続的成長につながったハンズオン支援の具体的な内容について出資者に対して報告してまいります。
原則8 機関投資家向けサービス提供者は、機関投資家がスチュワードシップ責任を果たすに当たり、適切にサービスを提供し、インベストメント・チェーン全体の機能向上に資するものとなるよう努めるべきである。
当社は、機関投資家から業務の委託等を受け、機関投資家の実効的なスチュワードシップ活動を支援することを目的とした議決権行使助言業務や年金運用コンサルタント業務等の機関投資家向けのサービスを提供する業務は行っておりません。
以上